離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
邸宅内の廊下の隅で、エレナとセインがふたりで横並びになって話をしていた。背後にある窓からは先ほどアリシアたちがお茶をしていた庭園のテラスが見える。今はもう片付けられていた。
エレナは掃除のブラシを手に持ち、ため息をつく。
「なかなか上手くいかないわねえ」
「どちらも口下手なのだ。上手くいくわけがない」
「あなたが言うと妙に納得しちゃうわ」
エレナが横目でちらりと見たが、セインはまったく気にせず話す。
「まわりくどいことをせず、はっきり伝えればいいものを」
「何を?」
「慈善事業にかかるコストは侯爵家で賄うから、相談してほしい。君の財布から出す必要はない。君の稼ぎは君自身のために使ってほしいとな」
「あらまあ、わかりやすい」
「言葉が足りんのだ」
「そうねえ。あの言い方じゃ、アリシア様は怒られてしまったと勘違いしているわ」
エレナは腕組みをしてうーんと唸った。
それからセインに向かってふと思ったことを口にした。
「それにしても、案外あなたって伝え方が上手いのね。普段無口なくせに」
「余計なことは言わず、必要なことだけ口にすればいい。お前はもう少しおしゃべりを控えるといい」
「それは余計なことだわ!」
エレナが睨むように見たが、セインは気にするそぶりもなく、さっさとその場を立ちってしまった。
エレナは掃除のブラシを手に持ち、ため息をつく。
「なかなか上手くいかないわねえ」
「どちらも口下手なのだ。上手くいくわけがない」
「あなたが言うと妙に納得しちゃうわ」
エレナが横目でちらりと見たが、セインはまったく気にせず話す。
「まわりくどいことをせず、はっきり伝えればいいものを」
「何を?」
「慈善事業にかかるコストは侯爵家で賄うから、相談してほしい。君の財布から出す必要はない。君の稼ぎは君自身のために使ってほしいとな」
「あらまあ、わかりやすい」
「言葉が足りんのだ」
「そうねえ。あの言い方じゃ、アリシア様は怒られてしまったと勘違いしているわ」
エレナは腕組みをしてうーんと唸った。
それからセインに向かってふと思ったことを口にした。
「それにしても、案外あなたって伝え方が上手いのね。普段無口なくせに」
「余計なことは言わず、必要なことだけ口にすればいい。お前はもう少しおしゃべりを控えるといい」
「それは余計なことだわ!」
エレナが睨むように見たが、セインは気にするそぶりもなく、さっさとその場を立ちってしまった。