離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
しかしよく考えてみたら、妻の親戚が訊ねてくるのに適当な扱いをすれば侯爵家の品位に関わる。
そのことを察したアリシアは納得すると同時に少し驚いた。
普段は他の貴族と懇意にしない彼が、こうしてきちんと礼を尽くすとは。
(旦那様は侯爵であることに誇りを持っているのね。私情を挟まず、正しく振る舞おうとしている)
対する叔父は交友関係は広いが、すべて損得勘定で動いている。
自身に利がないと判断した相手に対する態度は横柄で、見下すような物言いをする。
確かに叔父は以前フィリクスに支援をしたが、それもすべて侯爵家という家柄に恩を売っておくため。つまり今の状況になったときにフィリクスが助けを拒めないようにするためだ。
「叔父を迎える準備は私がしておきますね」
「ああ、よろしく頼む」
話し合いが終わったあと、自室へ戻ろうとしたアリシアをフィリクスが呼び止めた。
「アリシア」
「はい?」
初めて名前を呼ばれた気がした。
驚いて目を丸くするアリシアに、フィリクスは相変わらず表情を崩さず真顔で言った。
「感謝祭、ともに、どうだろうか?」
「えっ……」
唐突な提案にアリシアの思考が一瞬止まった。
(まさか、一緒に行こうという意味なのかしら?)
そのことを察したアリシアは納得すると同時に少し驚いた。
普段は他の貴族と懇意にしない彼が、こうしてきちんと礼を尽くすとは。
(旦那様は侯爵であることに誇りを持っているのね。私情を挟まず、正しく振る舞おうとしている)
対する叔父は交友関係は広いが、すべて損得勘定で動いている。
自身に利がないと判断した相手に対する態度は横柄で、見下すような物言いをする。
確かに叔父は以前フィリクスに支援をしたが、それもすべて侯爵家という家柄に恩を売っておくため。つまり今の状況になったときにフィリクスが助けを拒めないようにするためだ。
「叔父を迎える準備は私がしておきますね」
「ああ、よろしく頼む」
話し合いが終わったあと、自室へ戻ろうとしたアリシアをフィリクスが呼び止めた。
「アリシア」
「はい?」
初めて名前を呼ばれた気がした。
驚いて目を丸くするアリシアに、フィリクスは相変わらず表情を崩さず真顔で言った。
「感謝祭、ともに、どうだろうか?」
「えっ……」
唐突な提案にアリシアの思考が一瞬止まった。
(まさか、一緒に行こうという意味なのかしら?)