玄関を開けたら、血まみれの男がいました
事件の裏側
翌日。
私はいつも通り通所介護施設「ひまわり」に出勤した。
朝は相変わらずバタバタだ。利用者さんたちが来る前にタオルと飲み物を用意して、電話対応して、打ち合わせをして。そうだ。レクリエーションの準備もしなくては。今日は塗り絵か、折り紙か。毎日同じレクの繰り返し。いくらすぐ忘れてしまう利用者さんたちだって、いい加減飽きていると思う。
そんなバタバタの中、施設長が私を呼んだ。
「浅野さん、警察の人が来てるけど。一応、個室に通しておいたから」
小声で私に耳打ちする。施設長は私が何かやらかしたと思っているのか、疑わしい顔を私に向けていた。いやいや、私は何もしていません! とんだ迷惑である。
警察。間違いなく昨夜のことだろう。
あの美麗な男。死んだ、とかだったら、どうしよう。いや、どうしようもないけど、胸糞悪い。イケメンだったのにな、と思う。別に、死んだとは限らないけれど。
いや、もしかしたら昨日、知らぬ間に何か盗られていたのかもしれない。窃盗事件として何か面倒なことが起きたのかも。
というさまざまな私の予想を裏切って、警察は言った。
「相手が謝罪とお礼をしたいとのことですが、どうされますか?」
「はい?」
意味がわからなくて、私は聞き返した。
私はいつも通り通所介護施設「ひまわり」に出勤した。
朝は相変わらずバタバタだ。利用者さんたちが来る前にタオルと飲み物を用意して、電話対応して、打ち合わせをして。そうだ。レクリエーションの準備もしなくては。今日は塗り絵か、折り紙か。毎日同じレクの繰り返し。いくらすぐ忘れてしまう利用者さんたちだって、いい加減飽きていると思う。
そんなバタバタの中、施設長が私を呼んだ。
「浅野さん、警察の人が来てるけど。一応、個室に通しておいたから」
小声で私に耳打ちする。施設長は私が何かやらかしたと思っているのか、疑わしい顔を私に向けていた。いやいや、私は何もしていません! とんだ迷惑である。
警察。間違いなく昨夜のことだろう。
あの美麗な男。死んだ、とかだったら、どうしよう。いや、どうしようもないけど、胸糞悪い。イケメンだったのにな、と思う。別に、死んだとは限らないけれど。
いや、もしかしたら昨日、知らぬ間に何か盗られていたのかもしれない。窃盗事件として何か面倒なことが起きたのかも。
というさまざまな私の予想を裏切って、警察は言った。
「相手が謝罪とお礼をしたいとのことですが、どうされますか?」
「はい?」
意味がわからなくて、私は聞き返した。