完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 しかしながら、義務的な笑顔と隠しきれない冷たい視線を感じる度に私の心は冷めていった。

「ゼリーくらいなら食べられるか? こんなにやつれて⋯⋯可哀想に⋯⋯」
 フルーツがゴロゴロ入っているゼリーをスプーンと共に渡してくる玲さんに私は溜息をついた。

 確かに昨晩から食事も喉を通らなくなっている。
 その話をお手伝いさんから聞いて気を利かせたつもりなのだろう。

 お手伝いさんも玲さんも本当は私を心配なんかしていない。
 心配をしている体を保っているだけだ。
(腹が立つ! どいつもこいつも偽善者ばっか!)

 私は思いっきり、彼の手を引っ叩いた。
 床にゼリーが散乱する。

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