完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「大丈夫。混んでて乗り切れなかったら、電車の外からしがみついて乗れば良いんだよね」
「それ、どこの国の話だよ」
 私の言葉にHIROが吹き出した。
 
 それから私たちは暫く楽しく会話した。
 私はその間ずっと自分が幼かった頃の事を思い出してた。
 父と母と兄がいて何時もみんな笑っていて沢山のお喋りをしていた。

 外も暗くなってきたので、私はHIROを門のところまで送る事にした。

 「HIRO、門のところまで送るよ」
 私は彼に伝えなければいけない事があった。

 一度目はHIROが自殺、二度目はHIROと草井奈美子が心中。
 私はそんな報道は今も全く信じていない。

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