完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「凛音、電車はダメだよ」
 玲さんが静かに呟くと私を抱きしめて、唇をこじ開けて深いキスをしようとして来た。 私は戸惑いながらも、罪悪感からかそれを受け入れていた。身を委ねなくなりそうな気持ちよさに一瞬頭が朦朧とする。気持ちなど関係ないくらい、HIROのキスよりもテクニックに長けている。潔癖に見えて、彼は凄く女の扱いに慣れている気がした。

 息が苦しくなりそうなりながらも、その快感に溺れそうになっていると突然の感触に驚く。
(待って、今、胸を触られた?)

「ちょっと、やめて! はっぁ! やめてって言ってるでしょ、この痴漢!」
 私は彼の腕の拘束から逃れようと体を翻して胸を手で隠そうとした。
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