完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 玲さんが努力してくれているのは分かっていても、彼とやり直せるとは思えない。それは、崩壊してしまった柏原家が再構築できそうにないのと同じだ。

 立ち上がり、私の陰口を囁いていた女の子の前に行く。
 髪を一つ結びにしてメガネを掛けた彼女の名前は確か丸岡さんだ。
 学年1位を何度もとっている優秀な子なので、クラス浮いている私でも知っている有名人でもある。

「丸岡さん、知能指数20違うと話が成り立たないって本当? その豆知識を私にお裾分けしてくれないかな」
 私が発した言葉に、彼女は震えながら目を白黒させていた。

 友達ができるというのは偶然によるものが大きいのかもしれない。
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