完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 何がきっかけかなんてわからないものだ。私の寂しさは急速に埋められていった。

 帰り支度を済ませていると、周囲が騒がしくなる。
 私は門の前に玲さんが迎えに来ているのだと察した。
 リムジンを門の前に乗り付けて、堂々と私を迎えに来られるのは玲さんの特権だ。
 
 彼は窓から顔を出した私を見つけるなり、清涼飲料水のCMのような爽やかな笑顔で手を振ってくる。
 私はそんな彼に手を振り返した。皆が私を羨ましがっているのは、やはり少し気持ちが良い。
 
 それでも1週間後に私は何が起ころうと彼とは別れるつもりだ。

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