完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「まず、HIROが貴方に手を出そうとした事は謝らせて」
 草井奈美子が目を伏せて私の制服を整えながら語りかけてくる。
 私は、彼女の手を力強く振り払った。
 
「触らないでよ穢らわしい! この整形おばさん!」
 私がさっさと部屋を出ようとすると、後ろからHIROの声がした。

「柏原凛音! お前、顔は可愛いけど中身最低だな。俺、お前嫌いだわ。曽根崎玲とお似合いだよ」
 言い捨てるような彼の言葉と共に扉が閉まる。

 私は応援していたHIROに襲われかけた上に「嫌い」と言われ、少なからずショックを受けいていた。
(最低なのは、どっちよ⋯⋯)

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