完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「⋯⋯初めては痛かった? かなり痛そうだったけれど」
「えっ? 何言って⋯⋯」

 玲さんの言葉を混乱する頭の中で理解しようとする。
 HIROの部屋の状況を思い出してみると、私は確かに床に頭をぶつけて痛い思いをした。「痛いからやめてくれ!」と必死にHIROに懇願した。

「玲さん、もしかして、私のこと盗聴してる?」
 私の質問は彼の行動で返された。
 私はドボンッと夜の真っ暗な海に落とされた。
 暗くて冷たくて苦しくて私の意識は遠のいた。
< 69 / 320 >

この作品をシェア

pagetop