真夜中の償い
日付を見て思いっきり顔をしかめて、リアムはアマリアに目を向け

「これはいつ届いた?郵便ではないから直接持参されているようだが? 日付は9月7日となっている」

「実は受け付けからその日連絡がありましたが、アポもなかったのでお断りするように申し付けましたら、其れをお渡しするようにということで受付のものが勝手に預かってしまい私のところに持ってきたので、とりあえず受け取っておきましたが名前も聞いたこともない女性だったので、一応お見せしてから処分しようと思って忘れていました。すみませんすぐに処分します」

といって箱を受け取ろうした。

「日付からすると2週間近くたっている。君は僕のお客様を勝手に判断して断っているのか?僕の交友関係を君はすべて把握しているとでも思っているのか?思い上がりも甚だしい。そんな権限を君に与えた覚えは一切ない」

アマリアは青ざめて伏し目がちに

「申し訳ありません。でもCEOはいつも女性の図々しさには辟易されているので、またそんな類の方だと思いました」

「じゃあ、よく覚えておけ。日本人女性のユリ.スズキが訪ねてきたり、電話があったらすぐに取り次ぐように、受付にもそう言っておくんだ」

「あの、実はそのあと一度お電話もありましたが、社長は忙しいのでとお断りしました」

それを聞いてケンは天を仰いだ。

アマリアは明日から部署移動は間違いない。

「もう言い下がってくれ」

とリアムはドアを指し示した。

「でも、CEO、リアム…」

アマリアは大きな琥珀色の瞳をウルウルさせている。

ケンはアマリアの腕を引き部屋から押し出した。

「ケン、アマリアは…」

「わかってるよ。明日から総務にでも行ってもらうよ!」

とケンは溜息交じりに呟いた。

「受付にケンから伝えておいてくれ、いや、やっぱり俺から言っておく」

と言って内線で受付の女性たちに由里の件を徹底させた。

そしてスーツの上着を手に持って"出かけてくる"と言って疾風のようにドアを駆け抜けた。

ケンは唖然として見送った。

どうなってんだこれは、リアムが恋してる。

なぜか笑いが込み上げてきた。

あんな焦ったリアムは見たことがなかった、ケンは何としても由里に会ってみたくなった。

いつも女性にはクールでリアムからは連絡も誘いもしたことがないのはよく知っている。

こんなリアムを見たことがなかったのだ。

主のいなくなった部屋でケンはワクワクする気持ちが止められなかった。
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