キス魔なカレシ。
 「助けてくれて、ありがとう。私なら大丈夫だよ」
 「良かった…。で?君たちは何時まで居るつもり。さっさと消えなよ」

 郁弥くんは、女子たちを鋭く睨みながら言う。

 私と彼女たちに対する態度の違いが、二重人格みたいで、少し笑える。

 だけど、それだけ私の事を大事にしてくれているって事だよね…。

 素直に嬉しく思う。

 「どうして!?なんで、そんな女が好きなの!?」

 彼女は、泣きながら私を指差しながら言う。

 「私の方が好きなのに…!!」

 あぁ…。きっと彼女は本当に郁弥くんの事が好きなんだ。

 「はぁ?可憐ちゃんは、君と違ってこんな陰湿な事はしないし、可憐ちゃんの方が可愛い。君が勝てる所なんて何一つないよ」

 郁弥くんは、ばっさりと言って切り捨てる。

 まるで、尖い刃物みたいな言葉たち。

 それが、私に向かないことに、安堵する。

 「僕は、可憐ちゃんが好きなの。君たちなんて、大っ嫌いだよ」
 「〜〜っ!酷い…!」

 彼女はとうとう、崩れ落ちてしまった。
< 103 / 239 >

この作品をシェア

pagetop