転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「何よ、それ……! あたしのお姉ちゃんなら、あの時みたいに何もかもを譲ってよ! それがシエルという名前で生まれた、あんたの使命なのに……!」
「シエルがどう生きるかを、妹である君が決める権利はない」
私に向かって叫ぶ妹の言葉は、すべてディルクさんが遮断してくれる。
その優しさに甘えてはいけないと、わかっていた。
でも──佐部志江留の苦痛をすべて吐露したら、私を大聖女と崇める民衆の印象が悪い方向に変化してしまうのではないかと恐ろしくて――。
私はこれ以上、言葉を紡げなかった。
「捕らえろ」
「離して! あたしは公爵令嬢よ!? これはただの姉妹喧嘩で……!」
ディルクさんの命令を受けた騎士たちが、妹の身柄を拘束する。
もしもあの子が彼の婚約者になり、私から何もかもを奪っていれば――。
ああしてこの場所から連行されていくのは自分のほうだったかもしれない。
そう思ったら、正気ではいられなかった。
全身を震わせ、その場に留まり続ける。
「シエルがどう生きるかを、妹である君が決める権利はない」
私に向かって叫ぶ妹の言葉は、すべてディルクさんが遮断してくれる。
その優しさに甘えてはいけないと、わかっていた。
でも──佐部志江留の苦痛をすべて吐露したら、私を大聖女と崇める民衆の印象が悪い方向に変化してしまうのではないかと恐ろしくて――。
私はこれ以上、言葉を紡げなかった。
「捕らえろ」
「離して! あたしは公爵令嬢よ!? これはただの姉妹喧嘩で……!」
ディルクさんの命令を受けた騎士たちが、妹の身柄を拘束する。
もしもあの子が彼の婚約者になり、私から何もかもを奪っていれば――。
ああしてこの場所から連行されていくのは自分のほうだったかもしれない。
そう思ったら、正気ではいられなかった。
全身を震わせ、その場に留まり続ける。