さよなら、ブルートレイン
 空を見上げたところで、見えるのはいつも重苦しい雲。
 息が詰まりそうな日々。
 さっさと都会に染まって、かつてのクラスメイトの記憶など、もう全部忘れてしまいたかった。
 尤も、高校生になってからは、クラスメイトの名前すら知らないが。

 とにかく毎日がつまらない。
 ニコリともせず、学校では「点数取って、大人しくして、問題を起こさなけりゃ文句ないでしょ?」と言わんばかりに、優等生のふり。
 プライベートでは、16になってすぐに免許を取得した単車を走らせる日々。
 暴走族のようにつるむこともなく、いつも一人で。
 法律では許されていることなのに、学校が校則でバイクの免許取得を認めないなんて、あまりに馬鹿馬鹿しい。
 いっそ、このことがバレて退学にでもなれば楽かもしれない。
 やめる口実を作らなくていいから。
 そんなことばかり思っていた。
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