さよなら、ブルートレイン
 もしかして、私がこのまま何処かへ遊びに行くと疑われて、送ると言っているのかとも思った。
 しかし、いつものサボりとは違い、珍しく本当にしんどくてたまらなかったので、送ってもらうことに。

 ハンドルを握った先生は、
「体調は大丈夫か?」
「正直、しんどいです」
「だよな。ただ、もしかして、変な噂に悩んでるんじゃないかと思って⋯⋯」
「ああ。援交した挙げ句、妊娠したとかいうやつですか?」
「知ってたのか⋯⋯」
「ええ」
「俺は、信じてるよ。お前は、そんなことする子じゃないって」
「妊娠してたら、今こうして生理痛で苦しんでませんしね」
「えっ!?か、風邪なのかと思ったよ!」
 焦る先生が面白くて、私は窓側へ顔を背け、少し笑った。
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