さよなら、ブルートレイン
 何とでも言えばいい。
 どうだっていい。
 否定したところで、あいつらは信じるはずもない。
 受験生なのに、暇なのだろう。
 保守的なこの田舎では、よほどの優等生でもない限り、女子の大半は地元の冴えない学校に行くという傾向があるから、受験勉強を頑張ることもないから。

 急に肌寒くなってきた秋。
 球技大会が嫌で学校をサボった翌日、ピタリとあの噂は止んでいた。
 妙に思ったが、次のターゲットでも見つけたのだろうと、特に気にして居なかった。
 それにしても、今日は生理痛が酷い。
 天気も鬱陶しく、なお気が滅入る。
 連日になるが、早退することにした時、誰もいない玄関で先生に呼び止められた。
「体調悪いんだろ?次のコマは休みだから、送るよ」
「え?一人で帰れますけど」
「いいから。この冷たい雨で、風邪を悪化させたらよくない」
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