「好き」があふれて止まらない!
「今日は来てくれてありがとう比高さん」
「こ、こちらこそ。素敵なステージをありがとうございました!」
「比高が書いてくれたラブソング高評価だぞ」
杉浦くんはスマホを見ながら満面の笑みを浮かべる。
「ほ、本当⋯⋯?」
「本当、本当! もっと聴きたいって声がアカウントにも届いてる」
「よ、よかった~!」
体の力が一気に抜けてふらついたわたしを我妻くんが支えてくれた。
「ごめん我妻くん」
「立ちっぱなしで疲れただろ。座れよ」
「ありがとう」
「で、どうだった? MEBIUSのライブは」
我妻くんのまっすぐな瞳にわたしが映る。
杉浦くんと二階堂先輩も手を止めた。
「⋯⋯すっ、すごかった。感動した」
「やったな! 奏人、千里」
「二階堂先輩の心地のよいベースの音、杉浦くんの力強いドラム、それから我妻くんの刺さるような⋯⋯それでいて包み込むような歌声。全部が耳だけじゃなくて心にも響いたよ」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」