狂愛されて、壊れそう。
 「輝流くんだよね…?」

 わたしたちが、楽しく話していると知らないおじさんが話しかけてきた。

 「そうだけど、アンタ誰?」

 輝流くんの知り合いではないようで、不審顔をする。

 「ぼ、僕は君のファンなんだ!会えて嬉しいよ」
 「それはどーも。てか、ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」

 輝流くんは興味がないようで、冷たく言うとベンチから立ち上がる。

 「そんな、冷たくしないでくれっ!そうだ、お菓子が車にあるんだ!一緒に取りに行こう!」
 「え!?お菓子!わたし、お菓子食べたい!」

 お菓子をくれるなんて、優しいおじさんなんだ!

 「おい、どっからどう見ても不審者だろうが」
 「え〜!でも、お菓子くれるってよ!」
 「はぁ…。良いから行くよ」
 「わっ!」

 急に2人に腕を掴まれて、引っ張られてしまう。

 「ち、ちょっと待ってよ!輝流くん、僕は怪しくないよ!」
 「どう見ても怪しいファンでしょ?いるんだよね。時々アンタ見たいなキモイファンがさ」
 「酷いじゃないか…!僕はずっと、君のことを応援してたのに…!良いからこっちに来いっ!」
 「ちょっと、なにするのさ!?」

 輝流くんの言葉に怒ったのかおじさんは、強引に輝流くんの腕を掴んで、連れていこうとする。

 「待ってよ!輝流くんに乱暴しないで!」
 「桜子!危ねぇぞ!?」

 わたしは、おじさんにしがみついて輝流くんを連れて行こうとするのを止めようとするけど、子供の力ではビクともしない。

 「輝流くんは、わたしの大切な友達なの!だから、変なことしないで!」
 「おい!桜子から、離れろよ!」
 「アンタたち、危ないなら止めなよ!おれのことなんてほっといて良いから!」
 「いやっ!」
 「早く離せよ!クソジジイ!」
 
 悠雅くんがおじさんの足に蹴りを入れると「ぐっわぁ!」って痛そうに声を上げて、輝流くんのことを離す。

 それを見たわたしもおじさんから素早く離れる。

 「今のうちに、逃げるよ!」

 輝流くんが言うのと同時にわたしたちは、走り出した。

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