用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
 それはもう肯定しているのとほぼ同じだったのに、アランはその後『無理に言わせるつもりはないんだ。どうしたいかよく考えて、結論が出たらその答えを聞かせて』とエレインに猶予を与えてくれた。
 さらにアランはこうも言った。
『その内容によっては、俺の知っていることもすべて包み隠さずきみに共有しようと思う。エレインの力になれるかどうかはわからないけど』
「殿下の知っていること……」
 それはきっと、精霊とこの力に関することだろう。
(知りたいけど……、怖い……)
 一体どんな話しなのだろうか。
 エレインが、この国に来て精霊についての本などを探してみたが、どれもおとぎ話の域を出ないものばかりだった。
『精霊がやってきた』という言葉も、この国で有名なおとぎ話が基になっているにすぎないようだった。
 だから、エレインは自分のこの力がなんなのか、未だにわからない。
 どうして自分だけに精霊が見えて、力が使えるのか。
 それは、物心ついたころからずっと心に抱えていた疑問でもあった。
 ――いいですか、エレイン。このことは、母さま以外、誰にも言ってはいけませんよ。――だけど……――
 母の言葉が脳裡に浮かぶ。
 エレインは母の形見の指輪をぎゅっと握りしめた。

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