用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
「ヴィタ国の王家の血筋でない者が指輪の力を使うには、代償を払わなければならないそうだ」
「代償とは……」
「生命力だ」
その言葉の意味と今見えている事実とが一致して、エレインは息を呑んだ。
シェリーの容姿を見て、アランもそう判断したのだろう。
「もしこれ以上力を使ったら……」
「その末路がどうなるのかまでは、本には書かれていなかった」
だとしても、シェリーの行く末が善いものになるとは到底思えない。
そうこうしている内に、二人はダミアンたちの前に到着する。
「王太子殿下、王太子妃殿下、この度はご結婚まことにおめでとうございます」
二人の前に立ち、アランが祝いの言葉を述べた。
先日、カムリセラ国でアランに門前払いを食らったダミアンは、苦虫を嚙み潰したような顔になるも、すぐに皮肉たっぷりの笑みを浮かべる。
「これは、カムリセラ国の王子殿下。遠いところ痛み入る」
「こちらこそ、このような素敵な披露宴にお招きくださり光栄でございます。王太子妃殿下におかれましても、誠におめでとうございます。聖女が舞い降りたとお噂はかねがね」
「まぁ、素敵な殿方に褒められたらわたくし照れてしまいます」
口元に手を添えて、恥じ入る素振りを見せるシェリー。その手も手袋の上からでも骨ばっているのがわかり、エレインは痛まし気に目を眇める。
「シェリーはまさに聖女そのもの。あらゆる植物を育てられるんだからな。我が伴侶にふさわしい女性だ」
「このようなお祝いの場に大変恐縮なのですが、王太子妃殿下に折り入ってお願いがございます」
「図々しいぞ。この場をなんと心得る」
アランの申し出にダミアンが声を低く牽制するも、隣のシェリーが「聞くだけならいいじゃありませんか」と促した。
「その右手のシグネットリングを、本来の持ち主に返していただきたく存じます」
「――っ」
一瞬、シェリーの表情が強張ったのを二人とも見逃さない。
「代償とは……」
「生命力だ」
その言葉の意味と今見えている事実とが一致して、エレインは息を呑んだ。
シェリーの容姿を見て、アランもそう判断したのだろう。
「もしこれ以上力を使ったら……」
「その末路がどうなるのかまでは、本には書かれていなかった」
だとしても、シェリーの行く末が善いものになるとは到底思えない。
そうこうしている内に、二人はダミアンたちの前に到着する。
「王太子殿下、王太子妃殿下、この度はご結婚まことにおめでとうございます」
二人の前に立ち、アランが祝いの言葉を述べた。
先日、カムリセラ国でアランに門前払いを食らったダミアンは、苦虫を嚙み潰したような顔になるも、すぐに皮肉たっぷりの笑みを浮かべる。
「これは、カムリセラ国の王子殿下。遠いところ痛み入る」
「こちらこそ、このような素敵な披露宴にお招きくださり光栄でございます。王太子妃殿下におかれましても、誠におめでとうございます。聖女が舞い降りたとお噂はかねがね」
「まぁ、素敵な殿方に褒められたらわたくし照れてしまいます」
口元に手を添えて、恥じ入る素振りを見せるシェリー。その手も手袋の上からでも骨ばっているのがわかり、エレインは痛まし気に目を眇める。
「シェリーはまさに聖女そのもの。あらゆる植物を育てられるんだからな。我が伴侶にふさわしい女性だ」
「このようなお祝いの場に大変恐縮なのですが、王太子妃殿下に折り入ってお願いがございます」
「図々しいぞ。この場をなんと心得る」
アランの申し出にダミアンが声を低く牽制するも、隣のシェリーが「聞くだけならいいじゃありませんか」と促した。
「その右手のシグネットリングを、本来の持ち主に返していただきたく存じます」
「――っ」
一瞬、シェリーの表情が強張ったのを二人とも見逃さない。