用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
「――さぁさぁ、最後にお顔を整えますから前を向いててください」
エレインは鏡の前の自分を見た。ブラウンの髪にブラウンの瞳は、珍しくもなんともない地味な色。
さらに頬はやつれて色艶を失い、目の下には隈ができている。
お世辞にも綺麗とは言えない自分を、必死に着飾るニコルになんだか申し訳なくなってくる。
確かに、こんな自分にはくすんだ緑がお似合いね、とエレインは自嘲した。
「もういいわ、ニコル。これ以上厚塗りしたら幽霊と間違えられそう」
「そんな、せめて隈だけでも!」
「もう少しで王宮から迎えの馬車が到着する頃だから急ぎましょう。今度遅刻したら大変だわ」
身支度を早々に切り上げて二人は王宮へ向かった。
予定通り王宮に到着したエレインたちは、待ち合わせとなっていた控室に向かうもそこはもぬけの空でダミアンもいなかった。
まだ来ていないだけかと待っていたが、いつも自分の世話を担当している王宮の侍女もくる気配がなく、心配になったエレインは廊下を歩く給仕らしき人に声をかける。
すると衝撃の事実が判明した。
「王太子殿下は会場にいらっしゃいます。パーティはもう始まっていますので……」
「なっ……」
(なんてこと……!)
エレインはその場に崩れ落ちそうになるが、そんな場合ではないと足を奮い立たせ、会場へ急いだ。
エレインは鏡の前の自分を見た。ブラウンの髪にブラウンの瞳は、珍しくもなんともない地味な色。
さらに頬はやつれて色艶を失い、目の下には隈ができている。
お世辞にも綺麗とは言えない自分を、必死に着飾るニコルになんだか申し訳なくなってくる。
確かに、こんな自分にはくすんだ緑がお似合いね、とエレインは自嘲した。
「もういいわ、ニコル。これ以上厚塗りしたら幽霊と間違えられそう」
「そんな、せめて隈だけでも!」
「もう少しで王宮から迎えの馬車が到着する頃だから急ぎましょう。今度遅刻したら大変だわ」
身支度を早々に切り上げて二人は王宮へ向かった。
予定通り王宮に到着したエレインたちは、待ち合わせとなっていた控室に向かうもそこはもぬけの空でダミアンもいなかった。
まだ来ていないだけかと待っていたが、いつも自分の世話を担当している王宮の侍女もくる気配がなく、心配になったエレインは廊下を歩く給仕らしき人に声をかける。
すると衝撃の事実が判明した。
「王太子殿下は会場にいらっしゃいます。パーティはもう始まっていますので……」
「なっ……」
(なんてこと……!)
エレインはその場に崩れ落ちそうになるが、そんな場合ではないと足を奮い立たせ、会場へ急いだ。