ループするメイドは破滅ルートを回避したい!はずが、なぜか宰相様の溺愛ルートに入ってしまいました!?
 このままでいいわけがない。
 助けてもらったお礼も言いたいし、自分の軽率な行動も謝りたい。そして何より、あの綺麗な蒼玉色の瞳に会いたい。

「……もう一度会いたい。それに、セドリック様もエレナ様も助けたい」

 鏡の中に映る自分は、涙は完全に止まっていた。

「気合い入れなさいよ。泣くのは後でもできる。でも今はまだ動くときでしょ?」

 ロレッタはふっと表情を引き締めてから、エプロンのポケットから一通の封筒を取り出す。
 それは封蝋付きの手紙だった。
 紋章を見て、アリアの目がわずかに見開かれる。

「これ……」

「さっき文官棟の従者から預かったの。()()()から、アリアに渡すよう託されたって言ってたわ」

 アリアは震える手で急いで封を切る。
 中に入っていたのは、一通の手紙と王宮の簡易地図と、古びた銀色の鍵。

『この書簡が届いたとき、君は自分のすべきことを思い出していると信じています。この地図の場所で待っています』

(この字は……!)

 手紙の内容を読み終えた瞬間、アリアの中で何かがはっきりと切り替わった。今自分がすべきなのは、嘆くことでも泣くことでもなくて、行動すること。

「私、行かなきゃ……!」

 ―――セドリックを、そしてエレナを救うために。

「うん、泣き顔のアリアより、闘志に燃えてるアリアのほうがずっと好きよ」

 ロレッタの言葉に、アリアの胸の奥に小さな火が灯った。

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