魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
私は板の先と、目的地、つまりキョウが立っている木を見ることに全神経を集中させていた。
ボードの角度を変えたせいで、予想以上のスピードが出てきて出来れば一度転んでしまいたい。
そんな誘惑に駆られた、その時。
「ユリア、早くっ」
緊張の色を纏った鋭い声が、投げられた。
誘われるがまま、雪の上を滑る。
すぐ傍に、板が滑るような音が聞こえてきた。
ぐいと、キョウの腕が私を抱き寄せるのと、ざくっという鈍い音がしたの、そして。
「ぎいゃああああああああっ」
という、おぞましい悲鳴が遠ざかりながら聞こえてきたのは、どれもほぼ同時で、私は大パニックになった。
本当に怖いときには、声も出ないというのは本当だ。
鼻腔に届くのは、血の匂い。
「ユリア、怪我は無い?」
耳に届くのはいつもと変わらぬ甘い声。
「うん、平気」
と、言おうとした直後。
ふわりと身体が傾いた。キョウが慌てて、さらにきつく私を抱き寄せる。
ゾクゾクする。
とても、寒い。
背中がヒリヒリと、痛む気すらした。
……ああ、だって。
ここは、雪山だもんね……
ボードの角度を変えたせいで、予想以上のスピードが出てきて出来れば一度転んでしまいたい。
そんな誘惑に駆られた、その時。
「ユリア、早くっ」
緊張の色を纏った鋭い声が、投げられた。
誘われるがまま、雪の上を滑る。
すぐ傍に、板が滑るような音が聞こえてきた。
ぐいと、キョウの腕が私を抱き寄せるのと、ざくっという鈍い音がしたの、そして。
「ぎいゃああああああああっ」
という、おぞましい悲鳴が遠ざかりながら聞こえてきたのは、どれもほぼ同時で、私は大パニックになった。
本当に怖いときには、声も出ないというのは本当だ。
鼻腔に届くのは、血の匂い。
「ユリア、怪我は無い?」
耳に届くのはいつもと変わらぬ甘い声。
「うん、平気」
と、言おうとした直後。
ふわりと身体が傾いた。キョウが慌てて、さらにきつく私を抱き寄せる。
ゾクゾクする。
とても、寒い。
背中がヒリヒリと、痛む気すらした。
……ああ、だって。
ここは、雪山だもんね……