魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「ねぇ。じゃあもうジャックは日本に居るの?」

私はそう問う。

「そうだね、一応その予定」

「じゃあ、うちで一緒に暮らそう?」

綾香のところを出てきたのだから、きっとその方がいい。

「うちって?」

ジャックのブルーサファイアを思わせる瞳が、緩やかに私を捉えた。

うち。
そう、私の記憶はいまやもうはっきりしていた。
私がジャックをどこかで知ったその時。

私は実家ではない、でも『家』だと認識している学校近くのマンションに居たのだ。

笑麗奈の言うように、一人暮らしをしていたのかしら。
でも、それにしてはあの部屋は広すぎる。


「あ、でも。
私の血が無いと駄目なんだっけ?」

提案しておいてなんなんだけど。
ジャックは吸血鬼だったんだった。

慌てる私を見てくすり、と。
軽やかに笑うと、次の瞬間にはジャックの指先が私の肩に触れていた。
その、氷のような冷たさに一瞬ぎくりとする。

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