「庭の千草」狂詩曲

chapter4ーー宗月Side/君が笑顔でいるために

クレアと俺が「夏の名残りの薔薇『庭の千草』」の演奏を終えると、観客が総立ちになって歓声を上げた。

俺たちが舞台袖に引いた後も歓声は鳴り止まなかった。

「宗月ーーこんなに胸が熱いのは初めて」

クレアの頬が涙に濡れていた。

俺はハンカチで、クレアの頬をそっと拭った。

審査結果を待つ間、クレアはヴァイオリンを抱きしめていた。

ダフィット教授はクレアの隣で、クレアの肩を優しく包みこんでいた。

2時間後。

入賞者の名前と順位が、次々に呼ばれた。

「1位、クレア・ヴェストファール」

クレアは「アッ」と声に出し、顔を覆った。

「先生、勝ったわ。わたし、優勝したわ」

歓声を上げ、胸の前で十字を切った。

続けて、各賞の受賞と受賞者の名前が読み上げられた。

クレアは聴衆賞も受賞した。

教授はクレアの聴衆賞受賞を聞くと、大きく頷いた。
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