「庭の千草」狂詩曲
修士課程の合格通知は6月末に届き、ホッとひと安心した。

BALのマスターに日本に戻ることを伝えると、静かに頷いて「ゆっくりしてこい」と言われた。

ミヒャエルとビアンカには「戻ってくるのか」と心配された。

「日本に戻って。クレアは宗月に着いていて、あなた1人でしょう?」

マルグリットは詩月が家に1人きりになるのを心配した。

「マルグリット、大丈夫。簡単な料理はできるし、隣には伯母夫婦もいるし、主治医もいるから」

「心配だわ。クレアと宗月にはちゃんと伝えたの?」

「主治医に渡航を話しに行った時に伝えた。諸々の手続きを済ませに戻るだけだから」

「でも……」

「心配性だな。マメに連絡するよ」

ーーそう。日本で1人じっくり考えて、ちゃんと整理をつけ吹っ切るために

詩月は、本当はモヤモヤしている胸の内を悟られまいと平常心を装い、笑顔で答えた。

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