「庭の千草」狂詩曲
ファイナルの審査結果は未だ出てはいないが、受賞した場合、課せられたスケジュールを詩月がこなせるかどうか。

エィリッヒは宗月の容態しだいだし、詩月の精神状態しだいだと思った。

「コンクール会場に戻るよ」

詩月は静かに言って、立ち上がった。

「命に別状はないようだし、ICU室にいる間は決まった時間しか面会はできないし」

詩月の言い分は冷たいが、最もだ。

「意識がもどったら、言わなくていいことまで言いたくなる」

「詩月!?」

「病院に居ると気分が滅入るし、考えたくないことまで考える」

ユリウスたちは詩月の顔をまじまじと見つめた。

「……今は話したくないし、顔を会わせたくない。それに、1ヶ月もほとんど拘束されたのに、ペナルティは受けたくない」

正直な気持ちだった。

「クレアには会っていかないの?」

マルグリットが詩月の腕を取った。

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