「庭の千草」狂詩曲
ブラームスコンクール、ヴァイオリン部門で「この雨の歌を越える演奏は生まれないだろう」とまで評価された演奏だ。

それを別の解釈で演奏してみようと、暫し外を眺めて考えた。

ーー梅雨時期や冬ならば、命に忍び入るほど冷たい雨でも、真夏の暑さに降る雨ならぱ冷たければ冷たいほど、癒しの雨になる。うだるような暑さに降り注ぐ雨は、甘露の雨に違いない

サッと指を構え弾き始めた演奏は、清々しく爽やかな雨だった。

激しく、一気に降り注ぐ。

急に始まり数分から数十分ほど続く強い突風、驟雨(にわかあめ)に似ている。

「へぇ~そう来たか」

理久はブラームスコンクールのヴァイオリン部門での詩月のピアノ伴奏を 動画配信で幾度も聴いて知っていた。

安坂貢からも詩月の「雨の歌」のピアノ伴奏が、どれほど素晴らしかったかを聞いている。

ーーあの「雨の歌」をこうも爽やかな雨に変えるのか
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