「庭の千草」狂詩曲
理久は不思議でならなかった。

理久が3歳になり保育園に通い始めた頃、ようやく詩月は退院してきたが、たびたび入退院を繰り返した。

「婆ちゃん、詩月は何でたびたび入院するの?」

理久が詩子に訊ねると、詩子は理久にも解るよう話して聞かせた。

「詩月はね、心臓の病気なのよ。理久の此処、トクントクン動いてるのがわかる?」

詩子は理久の胸に手を当てて、心臓の位置を教えた。

「トクン、トクン。同じリズムで動いているでしょう」

詩子は理久が心臓の動きに頷いたのを確認し、続けた。

「詩月の心臓はね、トクントクンがトクトクトクトクとなったり、トトトトトとなったり、トークーントークーンとなったりして、ちゃんと動かない病気なのよ」

「しゅじゅつしても、よくならないの?」

「そうね~。何度も手術しているんだけど、難しいようね」

「ずっと寝てなきゃいけないの?」

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