「庭の千草」狂詩曲
でも、もし自分の子どもが詩月と同じような状況なら、ただかわいそうだから手助けする、でいいのだろうか。

親なら、敢えて心を鬼にして頑張れと見守らなければならないのではないか。

何より今、毎日リハビリをしている詩月の頑張ろうともがいている意志や本人の治癒力を信じるべきではないのか。

つまずき挫けた時にこそ「たいへんね」と手を差しのべるのではなく、頑張れと励ます。

詩子は前を向かせる方が大事だと、自分自身に言い聞かせた。

詩子がお茶を飲もうと、ポットのスイッチを入れた時、階段下でガダンと大きな音がした。

何事かと階段下に向かうと、詩月が座り込んでいた。

「……詩子さん」

詩月は詩子を見上げて、手を伸ばした。

「疲れたでしょう。座って、お昼飯食べなさい」

詩子は詩月の手を取り椅子に座らせると、詩月用に用意したおかずを並べた。



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