「庭の千草」狂詩曲
「XCEON とコラボして間もない頃、あなた私に言ったわ。『詩月に何かあったら只ではおかない』同じ目をしているわよ」

舞園はそう言って、フフッと笑った。

「病状はある程度、知っているわ。XCEON のマネジャーも。あなたの席は未だ事務所にある。あなたが望めば……」

「今は未だウィーンで学びたいこともあるので」

「活躍のほどは知っているわ。帰国したのは検査や手続きだけのためだけではないのでしょう? 他にも何か……」

「桃香さん、すみません。『他にも何か』は話せません。僕だけの問題ではないので」

「マスコミが食いつきそうなネタね、きっと」

「否定はしません」

詩月は膝の上で拳をグッと握りしめた。

「大丈夫、辛そうだわ」

「詩月ーー」

理久が詩月の背中をそっと、ゆっくり擦った。

「あなたがそんな顔をするなんて、余程のことね」
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