「庭の千草」狂詩曲
episode 3ーー宗月とクレア

Chapter1ーー宗月side/出会い

「ヴァイオリン科の2年生に、凄く上手い女子がいてさ」

友人でヴァイオリン科のユリウスから、クレアの噂を聞いたのは、4年生に進級して間もなくだった。

ユリウスの実力もまんざらではない。

ユリウスは昨年まで師事していた教授が高齢で退任になり、クレアの師事するダフィット教授に、変更したと云う。

「ダフィット教授のレッスンはかなり厳しいだろ」

「そうなんだ。クレアはダフィット教授の秘蔵っ子と言われているそうだ」

「へぇ~」

「来月に学内コンサートがあるだろ。実はクレアはピアノ伴奏者を探しているんだが。宗月、どうだ?」

「そうだな。彼女の演奏を聴いてみないことには」

宗月がそう答えると、ユリウスはチッと舌打ちをした。

「言っておくけど、クレアは俺より上手いぞ」

「それは直接、彼女の演奏を聴いて確めるよ」

自分の目と耳で実際に、観たり聴いたりしたものしか認めない。

< 43 / 359 >

この作品をシェア

pagetop