「庭の千草」狂詩曲
握手を交わし、連絡先を交換した。

その日の晩。

俺は嬉しさを抑えてきれず、ユリウスに報告した。

「はあ? もう、コンタクトしたのか」

ユリウスの声は裏返っていた。

翌日のレッスンを始める前。

「宗月、クレア・ヴェストファールのピアノ伴奏を引き受けたと聞いたが」

ミラン教授がレッスン室に入ってくるなり、訊ねてきた。

「ええ。昨日、彼女の演奏を聴いて」

俺は平静を装い、逸る気持ちを抑えて答えた。

「そうか……彼女と演奏するなら、ダフィット教授に挨拶しておけ。ダフィット教授は何かと気難しい性分だ」

「承知しました」

教授の手前、すぐさま答えたが、いちいち教授の許可が必要なのかと思った。

ユリウスが「クレアは教授の秘蔵っ子だ」と言っていたのを思い出した。

ずいぶん過保護と云うより、独占欲に近いと感じた。

ダフィット教授の執務室に、ノックして入ると教授が睨んでいた。

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