「庭の千草」狂詩曲
ユリウスたちはお互いの顔を見合わせた。

「……クレアの血液型は?」

マルグリットの声が震えていた。

「彼女は確かーー」

ユリウスが答えようとした時、看護師が1人戻ってくるなり、声を張り上げた。

「Rh-A型の方、いらっしゃいますか」

ユリウスとエィリッヒが素早く手を上げた。

「他の手術が3件あって、輸血用の血液がギリギリなんです」

看護師が廊下を走る後ろに続いて、ユリウスとエィリッヒも続いた。

処置室でユリウスたちが血液型を検査され、献血をする。

閉まったカーテンの先で、人影が揺れた。

「息子さんです。やはり、Rh-AB型でした」

看護師の静かな声に、ユリウスとエィリッヒは沈黙した。

「失礼ですが、患者さんの奥さまの血液型は?」

ユリウスは看護師の問いかけに、声を潜めた。

「クレアは『Rh-O型』だ」

「あっ……」

< 6 / 359 >

この作品をシェア

pagetop