嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-

第24話 愛の檻 - 後編 -

 過ぎた快楽に朦朧(もうろう)としながら、カイの意識が飛びそうになった。
 もう何時間も動き続けて、そろそろ体力も限界だ。

「ねぇカイ、もっとぉ」

 汗だくの体をヘッドボードに預けたカイは、非難めいたルチアに苦笑いを向けた。

「さすがにもう無理。ごめん、ちょっと休ませて」

 目をつむり上がった息を整えていると、ルチアが不服そうに唇を尖らせる。
 寝ころんだまま頭を膝に乗せてきたルチアを、カイはしばらく子猫をあやすように撫でていた。

「もういいよ。ルチア、おいで」

 差し伸べた手で、ルチアの脇を引き上げる。
 対面でカイに跨ったルチアが、うれしそうに口づけをねだってくる。

「カイ」
「ルチア……」

 互いの唇を()みながら、深く舌を絡ませた。
 理性など遠くへ押しやって、飽きることなく抱きしめ合った。

 いつの間に眠りに落ちていたのか、カイは(きし)む体を気だるげに起こした。ルチアは隣で深い眠りについている。枕に沈む無邪気な寝顔に、カイの口元が知らず笑みを(えが)いた。

 明日の段取りに思いを()せることもなく、過ぎた日の記憶に(わずら)わされることもない。今ここにある一瞬一瞬を、ただ過ごすだけの怠惰な時間だ。
 無益にも思えるこの刹那が、(いびつ)にひび割れた心を余すことなく埋めていく。無意識のままルチアの頬にカイは指を滑らせた。

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