嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
     ◇
「ヴォルンアルバか……」

 かの地に行く前に、すべきことを整理する。王城を離れたカイは、馬上で今後の算段に考えを巡らせた。
 デルプフェルト家関連の引継ぎは大方終わったが、やらねばならないことがまだ多少なりとも残っている。辺境の地へと向かう準備とともに、ベッティの今後の処遇も早急に対処しなくては。

(ルチアともしばらく会えなくなるな)

 任務に赴く前に、一度顔を見に行くべきか。ブルーメ子爵領までの往復距離を考えると、行ったところで小一時間いられるかどうかというところだ。
 それでもあの肌に触れたい衝動に駆られた。無理をすれば何とかなるだろう。

 そうなれば一秒たりとも無駄にはできない。
 目まぐるしく動く思考のまま、操る手綱をカイはきつく握った。








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