嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 カイが何かを言っているが、ルチアは既に夢の住人となっている。性懲(しょうこ)りもなくカイは、そんなルチアに更にぐいっと笑顔を近づけてきた。

「ねぇ、ルチア。このまま臭いオレに抱かれるのと、一緒に風呂入るの、どっちがいい?」
「なによソレ……どっちも嫌よ。わたしはこのあったかい布団で朝までぐっすり眠りたいわ」

 眠気も限界で、しょぼつく目はもう一ミリも開けることができない。それでもいくつも口づけを落としてくるカイに、仕方なくルチアは最後の力を振り絞った。

「お風呂で綺麗にしてきたら、カイもここに入れてあげるから……」

 掛け布団の(はし)を軽く持ち上げて、脇あたりに招き入れるための空間を示す。
 やっとの思いでそれだけ言うと、ゼンマイが切れた人形のようにことりとルチアは眠りに落ちた。

「りょうかい」

 もう一度頬に口づけて、カイは部屋を出ていった。しばらくののち、頭にタオルをかぶったカイがあくび交じりで戻って来る。

「ルチア、お待たせ」

 横にもぐりこんできたカイにぎゅっと抱きしめられる。啄んでくる唇の動きに、夢うつつでルチアもむにむに応えていった。

「はー、あったけー……」

 ルチアを腕に閉じ込めたまま、ゆっくりとカイの瞳も閉じていく。互いの素足を交差させると、内ももにある対のあざ同士がぴったりと模様が重なった。

 疲労と睡魔とあざの熱とが絡み合う。

 夜の(とばり)が降りた静寂の中、カイとルチアは言いようのない至福の世界へと(いざな)われた。






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