嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「これ、なんかあったかい」
なんだかカイがそばにいるようだ。言ったら笑われるかもしれないと、ルチアはその言葉をそっと胸にしまった。
琥珀の石の表面に、映り込んだ暖炉の炎が揺れている。それがまるであの日のカイの瞳に見えて、ここで初めてひとつになった日のことが、ルチアの胸を甘く焦がしていった。
(もうすぐカイに会えるんだ……)
その夜はカイの琥珀を握りしめて眠りについた。ベッティの言った通り、疲れがたまっていたのかもしれない。寝台にもぐりこむなり強い睡魔に襲われた。
夢も見ずに深くまどろんでいたルチアは、足の寒さにふと目を覚ました。まだ眠っていたいのにと、上かけ布団をかけなおそうと手を伸ばす。
「……カイ?」
「ごめん、起こしちゃった?」
しょぼつく目を懸命にこすると、暗がりの足元にカイがいた。布団をまくり上げた状態で、ルチアの足を片方持ち上げようとしている。
「何してるの? 寒いんだけど」
眠すぎて上手く頭が働かない。カイの肩を軽く蹴りつけると、ルチアは取り戻した足ごと布団の奥へもぐりこんだ。
天国に舞い戻り、ルチアの意識が再び深く沈んでいく。
それなのに、今度は頭から布団をはぎ取られた。刺すような冷気に、ルチアの眉間にしわが寄る。
「ルチア」
「なに?」
不機嫌に返すと、鼻先に口づけられた。
「ちょっと、カイ。あなたなんか臭いわよ?」
「そういや三日は風呂入ってないかも。それに早くルチアに会いたくて、寝ずに一晩馬を走らせてきたからさ」
なんだかカイがそばにいるようだ。言ったら笑われるかもしれないと、ルチアはその言葉をそっと胸にしまった。
琥珀の石の表面に、映り込んだ暖炉の炎が揺れている。それがまるであの日のカイの瞳に見えて、ここで初めてひとつになった日のことが、ルチアの胸を甘く焦がしていった。
(もうすぐカイに会えるんだ……)
その夜はカイの琥珀を握りしめて眠りについた。ベッティの言った通り、疲れがたまっていたのかもしれない。寝台にもぐりこむなり強い睡魔に襲われた。
夢も見ずに深くまどろんでいたルチアは、足の寒さにふと目を覚ました。まだ眠っていたいのにと、上かけ布団をかけなおそうと手を伸ばす。
「……カイ?」
「ごめん、起こしちゃった?」
しょぼつく目を懸命にこすると、暗がりの足元にカイがいた。布団をまくり上げた状態で、ルチアの足を片方持ち上げようとしている。
「何してるの? 寒いんだけど」
眠すぎて上手く頭が働かない。カイの肩を軽く蹴りつけると、ルチアは取り戻した足ごと布団の奥へもぐりこんだ。
天国に舞い戻り、ルチアの意識が再び深く沈んでいく。
それなのに、今度は頭から布団をはぎ取られた。刺すような冷気に、ルチアの眉間にしわが寄る。
「ルチア」
「なに?」
不機嫌に返すと、鼻先に口づけられた。
「ちょっと、カイ。あなたなんか臭いわよ?」
「そういや三日は風呂入ってないかも。それに早くルチアに会いたくて、寝ずに一晩馬を走らせてきたからさ」