嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「セレスティーヌ様……!」
イジドーラの体当たりに、またもや狙いが大きく逸れる。
苛立ちとともに大声を張り上げた。
「すべてはツェーザルのため! なぜそれが分からないっ」
ザイデル家の駒であるならば、イジドーラは自分を幇助すべき立場だろうに。
これさえ成し遂げれば、ツェーザルとの未来が待っている。イジドーラを振りきった反動で、短剣を大きく振りかぶった。
またも体当たりを受け、切っ先は王子すれすれのリネンへ突き刺さった。執拗に邪魔をしてくるイジドーラに肘鉄を食らわせる。
「これで終わりだ!」
目前の勝利に歓喜の雄叫びを上げた。
大泣きする王子に刃が突き立てられる。その寸前、しかし握る短剣ごと腕が高く弾かれた。
「ぎゃぁああぁあっ」
瞬間、耐え難い灼熱に包まれた。
何が起きたのか分からなかった。逃げ出そうにも指先ひとつ動かせない。
天井からひと筋の紅い光が差し込んだ。それは喉元へと狙いを定め、紅玉に輝く烙印を白い肌に刻みつけていく。
途切れることを知らない激痛の中、最愛の男への想いだけがこの胸に渦巻いた。
リーゼロッテの目にはその残像が世界でたったひとつの真実に映った。
例えそれが、重苦しい執着だったとしても。
イジドーラの体当たりに、またもや狙いが大きく逸れる。
苛立ちとともに大声を張り上げた。
「すべてはツェーザルのため! なぜそれが分からないっ」
ザイデル家の駒であるならば、イジドーラは自分を幇助すべき立場だろうに。
これさえ成し遂げれば、ツェーザルとの未来が待っている。イジドーラを振りきった反動で、短剣を大きく振りかぶった。
またも体当たりを受け、切っ先は王子すれすれのリネンへ突き刺さった。執拗に邪魔をしてくるイジドーラに肘鉄を食らわせる。
「これで終わりだ!」
目前の勝利に歓喜の雄叫びを上げた。
大泣きする王子に刃が突き立てられる。その寸前、しかし握る短剣ごと腕が高く弾かれた。
「ぎゃぁああぁあっ」
瞬間、耐え難い灼熱に包まれた。
何が起きたのか分からなかった。逃げ出そうにも指先ひとつ動かせない。
天井からひと筋の紅い光が差し込んだ。それは喉元へと狙いを定め、紅玉に輝く烙印を白い肌に刻みつけていく。
途切れることを知らない激痛の中、最愛の男への想いだけがこの胸に渦巻いた。
リーゼロッテの目にはその残像が世界でたったひとつの真実に映った。
例えそれが、重苦しい執着だったとしても。