ガキ大将と猫 2 (溶け合う煙 side story)
4.同じ景色
玄関のドアが閉まり、廊下に足音が遠ざかっていく。
部屋に残ったのは、私と響だけ。
さっきまで賑やかだったリビングが、急に静かになる。
「……帰っちゃったね。」
私がぽつりと言うと、響はソファにもたれながら小さく笑った。
「やっと二人になれた。」
その一言だけで、胸が少し熱くなる。
「香里奈さん、すごく素敵な人だった。」
「だろ?」
「昨日は勝手に誤解して……。」
思い出しただけで顔が熱くなる。
「私、本当に恥ずかしい。」
響は立ち上がると、私の前まで歩いてきた。
「まだ気にしてんの?」
「だって……。」
「普通、あれ見たら誤解する。」
そう言って、ぽん、と頭に手を置く。
「佳代にヤキモチ妬いてほしくてワザと放置してたところあったから…。だからもう終わり。」
その言葉に、昨日から胸につかえていたものが、すっと軽くなった。
「それより。」
響が少しだけ意地悪そうに笑う。
「昼間の電話の相手って誰?」
「……え?」
昨日の光景を見て私と同じ様に浮気と勘違いしたカフェの店員が心配して連絡をくれたと伝えた。
「ふーん、心配して電話までしてきたんだ。」
そう言うと、響の大きな手が私の左右の頬を包み込んだ。
「佳代。」
低い声で名前を呼ばれる。
「はい……。」
「お前、鈍感だから言っとく。」
「?」
「男があそこまで世話焼くのは、親切だけじゃない。」
私は目をぱちぱちさせる。
「え?そうなの?」
響は額に手を当てた。
「……ほら、そういうとこ。」
「え?」
「だから心配なんだよ。」
その表情は少し拗ねたようで、少し照れているようでもあった。
「レモンティー飲む?」
響はニヤッと笑って聞いてきた。
「飲む。」
「じゃあ淹れるね。」
キッチンへ向かい、私専用のマグカップにレモンティーを淹れてカフェテーブルに置く。
マグカップに手を伸ばすと手首を掴まれた。
「先。」
「え?」
「レモンティーは後。」
「昨日の分。ちゃんとお詫びしないとね。」
「……お詫び?」
意味が分からず見上げると、響は呆れたように笑った。
「佳代を安心させるってこと。」
そう言って額へそっとキスを落とす。
「これで足りる?」
私は真っ赤になって小さく頷く。
「……うん。」
「嘘。」
「まだ不安そうな顔。」
「もう一回。」
「えぇ?」
「俺が満足するまで。」
「それ、響が満足したいだけじゃない?」
「バレた。」
そう言うと、響はイタズラがバレた少年の様な笑みを見せた。
二人きりの空間には爽やかなレモンの香りが漂っていた。
部屋に残ったのは、私と響だけ。
さっきまで賑やかだったリビングが、急に静かになる。
「……帰っちゃったね。」
私がぽつりと言うと、響はソファにもたれながら小さく笑った。
「やっと二人になれた。」
その一言だけで、胸が少し熱くなる。
「香里奈さん、すごく素敵な人だった。」
「だろ?」
「昨日は勝手に誤解して……。」
思い出しただけで顔が熱くなる。
「私、本当に恥ずかしい。」
響は立ち上がると、私の前まで歩いてきた。
「まだ気にしてんの?」
「だって……。」
「普通、あれ見たら誤解する。」
そう言って、ぽん、と頭に手を置く。
「佳代にヤキモチ妬いてほしくてワザと放置してたところあったから…。だからもう終わり。」
その言葉に、昨日から胸につかえていたものが、すっと軽くなった。
「それより。」
響が少しだけ意地悪そうに笑う。
「昼間の電話の相手って誰?」
「……え?」
昨日の光景を見て私と同じ様に浮気と勘違いしたカフェの店員が心配して連絡をくれたと伝えた。
「ふーん、心配して電話までしてきたんだ。」
そう言うと、響の大きな手が私の左右の頬を包み込んだ。
「佳代。」
低い声で名前を呼ばれる。
「はい……。」
「お前、鈍感だから言っとく。」
「?」
「男があそこまで世話焼くのは、親切だけじゃない。」
私は目をぱちぱちさせる。
「え?そうなの?」
響は額に手を当てた。
「……ほら、そういうとこ。」
「え?」
「だから心配なんだよ。」
その表情は少し拗ねたようで、少し照れているようでもあった。
「レモンティー飲む?」
響はニヤッと笑って聞いてきた。
「飲む。」
「じゃあ淹れるね。」
キッチンへ向かい、私専用のマグカップにレモンティーを淹れてカフェテーブルに置く。
マグカップに手を伸ばすと手首を掴まれた。
「先。」
「え?」
「レモンティーは後。」
「昨日の分。ちゃんとお詫びしないとね。」
「……お詫び?」
意味が分からず見上げると、響は呆れたように笑った。
「佳代を安心させるってこと。」
そう言って額へそっとキスを落とす。
「これで足りる?」
私は真っ赤になって小さく頷く。
「……うん。」
「嘘。」
「まだ不安そうな顔。」
「もう一回。」
「えぇ?」
「俺が満足するまで。」
「それ、響が満足したいだけじゃない?」
「バレた。」
そう言うと、響はイタズラがバレた少年の様な笑みを見せた。
二人きりの空間には爽やかなレモンの香りが漂っていた。


