結婚式を作ったのは、捨てられた私でした

14  二人の信じる未来へ

 「‥‥‥‥」
 私は心の中の波を落ちつかせる。
 これで心の奥に刺さっていた小さな氷が解けた。
 別に復讐したかったわけじゃないけど‥‥今はとても晴れた気分。
 もう誰かに認められたくて頑張るんじゃない。
 自分自身が、この仕事を、本当に好きだから。
 誰かの一生に寄り添う、その一瞬を完璧にしたい。
 それが、私の仕事だって胸を張って言えるようになった。




 「すごいすっきりした気分‥‥私って酷いと思う?」
 「いや」
 彼は後ろから私に覆いかぶさり両手で私を抱きしめた。
 「さっきも言ったよね。君はなくてはならない存在だって」
 「‥‥うん」
 私は彼の腕を取って胸に当てて目を閉じた。
 その心地よさに言葉にならないぐらい大きな幸せを感じる。
 

  私と彼の手の薬指には同じ指輪が光ってる。
 この幸せを、たくさんの人に届けたい。
 彼とならそれが出来ると、私は信じている。
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