甘い生活  Casa al mare
清海さんに見つかる前に、これらだけ会計を済ませておこう。


会計を済ませてから、何食わぬ顔で清海さんのところに戻る。

「お待たせ!」

「海香子ちゃんてば、迷子になったかと思ったよ」

またそんな子供扱いを⋯⋯。

「ごめんなさい、じゃあ行きましょ」

「あれ?化粧水がどうこう言ってなかった?」

ギクリ。

「あぁ!それは自分が使うものだから」

「別に、一緒に買ってもよかったのに」

「いいのいいの!それより、食材はどう?」

かごの中を覗いてみたところ、とりあえずこれだけあれば、ご飯を作るのにも困らなさそうだ。

会計を済ませて、荷物を後部座席に置くと、また私の運転で家に戻る。

「この車、早くも慣れたみたいだね。運転上手いじゃない」

清海さんに褒められて嬉しくなる。

それなのに、清海さんはまたクスクス笑っている。

「な、何⋯⋯?」

やりにくくて困る。
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