甘い生活 Casa al mare
Ⅵ
梅雨が明け、夏本番を迎えた。
とても嬉しい出来事がある。
初めての家庭菜園で植えた野菜たちの実が、無事に生ったのだ。
「ねぇ、収穫してもいい?」
清海さんに尋ねると、
「もちろん!僕は家庭菜園に関して無知だし、海香子ちゃんも初めてだったから、正直あんまり期待してなかったけど⋯⋯海香子ちゃんが大事に育ててくれたお陰だね」
そう言われ、嬉しくも照れてしまう。
清海さんの憧れる自給自足に、少しだけでも近づけただろうか。
それにしても「大物画家のアシスタント」という肩書と、現実に私がやっている仕事内容のギャップには苦笑いだ。
もしこれが求人情報なら、私のしていることは、雑役や用務員?
それとも、バブル時代のお茶くみOL?
イメージ的にはそのミックスだと思う。
「天気もいいし、清海さん、こういう日はあんまり絵を描く気分じゃないんでしょう?」
「参ったな、お見通しとは⋯⋯」
とても嬉しい出来事がある。
初めての家庭菜園で植えた野菜たちの実が、無事に生ったのだ。
「ねぇ、収穫してもいい?」
清海さんに尋ねると、
「もちろん!僕は家庭菜園に関して無知だし、海香子ちゃんも初めてだったから、正直あんまり期待してなかったけど⋯⋯海香子ちゃんが大事に育ててくれたお陰だね」
そう言われ、嬉しくも照れてしまう。
清海さんの憧れる自給自足に、少しだけでも近づけただろうか。
それにしても「大物画家のアシスタント」という肩書と、現実に私がやっている仕事内容のギャップには苦笑いだ。
もしこれが求人情報なら、私のしていることは、雑役や用務員?
それとも、バブル時代のお茶くみOL?
イメージ的にはそのミックスだと思う。
「天気もいいし、清海さん、こういう日はあんまり絵を描く気分じゃないんでしょう?」
「参ったな、お見通しとは⋯⋯」