甘い生活  Casa al mare
2階の部屋に戻り、ひとりでベッドに横たわったまま、夢のような気持ちのままで居た。


あのあと、また何度も唇を重ねたけれど、

「このへんでやめておくよ。これ以上続けると、キスだけでは終われなくなってしまいそうだから」

照れたような、いたずらっ子のような表情でそう言って、そっと体を離した清海さん。

「な⋯⋯なんてことを言うの!」

正直、清海さんの言葉には驚いた。

これまでずっと、清海さんにとって私は、子供でしかないと思っていたのに。

まさか、清海さんが私に“そういう欲望”を隠し持っていたとは⋯⋯。

怖いくせに、満更でもないなんて、変なの。

しかし、あまりにも急展開で、まだそこまでは考えていなかったから、キス止まりだったことに安堵しているのが本音。


これからも、ずっと一緒に居られるんだ⋯⋯。

そう思うと、これまでに感じたことのない幸せを感じられた。
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