悪女な私とは婚約破棄してください。なのに、冷徹社長の猛愛からは逃げられない
英輔は彼に嘘の証言をさせた。そのあとで、まとまった金を渡して会社を去らせたのだ。
「あ、あいつ……金を受け取ったくせに約束を破りやがって」
「金は返す、必要なら今度こそ真実を証言もする。田中さんはそう言ってくれましたよ」
英輔はドンッとこぶしでテーブルを叩いた。
「くそっ。どうして今さら……」
(関係ないかもしれない。でも、どうしても考えてしまう)
父の急死に、英輔の罪を知ってしまったストレスが少なからず影響したのではないかと。
「お父さんの命を……誇りを……なんだと思っているのよ!」
父はやっぱり無茶な投資などしていなかった。KAMUROのために堅実に仕事をし続けていたのに。
志桜はキッと英輔をにらみつけた。自己保身ばかりで反省の色もない彼の姿に、絶望は深まるばかりだ。
父は妹の夫、義理の弟である英輔を『家族』だと言っていた。そもそも英輔は初めからKAMUROで働いていたわけじゃない。前の会社を退職したあと、職探しに苦戦していた彼に父が手を差し伸べたのだ。
『家族は助け合うものだ』
父は無愛想で厳しかったけれど、家族を大切にする優しい人でもあった。そんな父の思いを英輔はズタズタに踏みにじったのだ。
冷静でいようと必死にこらえていたけれど、もうダメだった。怒りで紅潮した頬にひと筋の涙が伝う。そんな志桜の肩を楓は抱き寄せて、ただ泣かせてくれた。
「あ、あいつ……金を受け取ったくせに約束を破りやがって」
「金は返す、必要なら今度こそ真実を証言もする。田中さんはそう言ってくれましたよ」
英輔はドンッとこぶしでテーブルを叩いた。
「くそっ。どうして今さら……」
(関係ないかもしれない。でも、どうしても考えてしまう)
父の急死に、英輔の罪を知ってしまったストレスが少なからず影響したのではないかと。
「お父さんの命を……誇りを……なんだと思っているのよ!」
父はやっぱり無茶な投資などしていなかった。KAMUROのために堅実に仕事をし続けていたのに。
志桜はキッと英輔をにらみつけた。自己保身ばかりで反省の色もない彼の姿に、絶望は深まるばかりだ。
父は妹の夫、義理の弟である英輔を『家族』だと言っていた。そもそも英輔は初めからKAMUROで働いていたわけじゃない。前の会社を退職したあと、職探しに苦戦していた彼に父が手を差し伸べたのだ。
『家族は助け合うものだ』
父は無愛想で厳しかったけれど、家族を大切にする優しい人でもあった。そんな父の思いを英輔はズタズタに踏みにじったのだ。
冷静でいようと必死にこらえていたけれど、もうダメだった。怒りで紅潮した頬にひと筋の涙が伝う。そんな志桜の肩を楓は抱き寄せて、ただ泣かせてくれた。