白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 引き上げ、彼女のフードを外す。
 青白く、どこまでもやせ細った体。
 そしてその白い肌を埋め尽くすような赤いあざ。

 どうして彼女が死ななければならなかったのか、俺は知らない。
 そもそも、彼女のことを全く知らないのだ。

 いつか父の目がなくなったら、彼女に詫びに行きたいと思っていた。
 しかし現実はただ忙しく、今さら自分の謝罪など何になるのか、そういう思いも加速して、言い訳をつけては逃げていた。

 何が強い男だ。
 彼女一人守れずに、俺は……。

 冷たくなった彼女を抱きしめ、いつも夢は終わる。
 酷い夢だ。彼女が死ぬなんて。

 だけど結婚したアンリエッタが、幸せではないと知った時、夢は現実になるのではないかという恐怖に付きまとわれた。

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