白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 そう、表向きはね。
 バラ病を知らない人にとったら、ただのお茶でしかないし。
 まさかあれが薬になる時代が来るなんて思いもしないでしょうね。

「あんなただの花の実になんぞ、なんの価値があるというんだ」
「少しずつ流行を取り入れ、貴族たちの中に溶け込むことそこが、お父様の目的だったのではないですか?」
「だとしてもだ! あんなもの、どれだけ売ってもいくらの価値にもならんだろう」

 ただでさえ、貴族たちからうちは嫌われているというのに、私が貴族に嫁いで籍を手に入れたとはいえ、そんなに簡単に市場が広がるわけないじゃない。

 だいたい、前回の時なんて私が貴族になって受けた恩恵など何もなかったのよ。
 今回は私が動いているから、こうやって少しはあるだけなんだからね。

「だいたいお前は、あの公爵家にも近づけたんだろう。だったらもっと、軍事など中枢に取り入らねばならんだろう。そんな女たちの相手をしていてどうする」
「夜会などはそんな女たちで回っているのですよ、お父様。大物を落とすためには順序が必要ではないですか」
「ふん」

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