白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 自分ではまったく何もしていないくせに、本当になんなの、この人は。
 あああ、腹が立つ。
 利用価値はなかったら、とっととどうにかしてしまいたいぐらいだわ。

 でもまだダメ。
 このバラ病だけはちゃんと終わらせないと。
 それまでの辛抱よ。

 これさえ終われば、絶対にそのふんぞり返った椅子の上から引きずり下ろしてやるんだから。

「公爵家の覚えも良く、今は次男である騎士団長に取り入っているところですので、その件はご安心下さい」
「そうか! 騎士団長か! それはいい。まったく、おしいことをしたな。お前にそれほどの器量があるのなら、あんな見込みも金もない男爵家になど嫁がせるべきではなかったな」

 騎士団長という話が出たせいか、父は急に上機嫌になり声を上げて笑い出す。
 
 まだダメだなんて思ったけど、やっぱり今殴ってしまいたいわ。
 あんなのに嫁がせたのは、お前だろうって。
 そのせいで私は一度死んだんだって。
 言っても通じないと分かっていても、怒りと悔しさがお腹の奥底から湧き上がってくるようだった。

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