白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「バラの実は、もし不採算事業になるといけませんので、すべて私個人としてで大丈夫です。在庫も男爵家で管理しますので」
「そうか。それはいい。どうせ全部売ったところで、あんなものはいくらにもならんからな」
「そうですね。かかった費用は男爵家のお金からでも支払いますから安心して下さい」
「それならいい。あとで在庫は運ばせよう」
「ありがとうございます」

 先に少し倉庫から持ち出して、あとでゆっくり運んでもらえばいいわ。
 あの実の価値が分かる頃には、きっとあなたの顔を見るのも最後になるでしょうし。

 絶対に後悔させてやるんだから。

 だからあと少しだけ、聞き分けの良い娘を演じてあげる。
 そんな感情が外に漏れださないように、私はいつものように父に微笑んで見せた。
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