白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 この人が私をもう、そういう対象として見ていないだけマシだけど。
 それでも気分のいい話ではないわ。

「なんでこんな貴族でもない娘と結婚などしたんだか! ああ、疫病神ったらありはしないわ!」
「……はぁ」

 私は聞き取れないぐらいに、小さくため息をついた。
 この後忙しくなるから、朝ご飯だけはしっかり食べておこうとしたのだけど、もう無理そうね。

 私の我慢の限界よ。
 私とダミアンの結婚は、自分たちが決めたことじゃない。

 一度目は厄介払いするために見捨て、二度目は私が死ぬまでこき使う気だったのかしらね。
 本当、残念。そんな未来は、もう来ないのよ。
 私が変えてしまったのだから。

「もう、かばってなどいただかなくて結構ですよ、ダミアン様?」
「は? とうとう君は気でも狂ったのかアンリエッタ」

 私はゆっくりと口を拭きながら、ただニコリと笑って見せた。
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